暦の上で「啓蟄」が近づき、そろそろ散策したくなる季節がやってきました。
木々の芽吹きとともに、次々と花開く淡いピンクの桜。
カメラを片手に、季節限定の桜風景を探しに出かけませんか?
二ヶ領用水とは、慶長16年(1611)に完成した日本でも有数の古い農業用水です。
徳川家康の江戸入府にともない、江戸周辺の治水と新田開発を命じられた用水奉行・小泉次太夫の差配のもとに、地元の農民が力を合わせて完成させたものです。
二ヶ領用水のなかでも宿河原線とよばれる場所が、市内でも屈指の花見スポットです。
約2kmにわたりソメイヨシノなど約300本もの桜が植えられ、3月下旬〜4月上旬にはせせらぎの上部に見事な桜のアーチが現れます。一帯には石材を使用した親水護岸や、木製デッキなどが整備され、階段を降りて水にふれることができるのもうれしいですね。
二ヶ領用水宿河原線には、さまざまな種類の桜が植えられているので、長い期間、花を見ることができるのも特徴です。整備された遊歩道ではジョギングや散策をする人も多く、市民の憩いの場になっていることが分かります。
JR宿河原駅からは徒歩3分、川崎信用金庫宿河原支店からもすぐ近くにあるので、ぜひ足を延ばしてみてください。
DATA
二ヶ領用水(宿河原線)
●にかりょうようすい(しゅくがわらせん)
住所:川崎市多摩区宿河原1~6丁目
電話:044-200-2903(川崎市建設緑政局道路河川整備部河川課)
044-544-8229(川崎市観光協会)
料金:見学自由
ニヶ領用水沿いを30分ほど散策すると、高津区にある久地円筒分水に到着します。
川崎信用金庫久地支店の近くでもあり、こちらも隠れた桜の名所。静かに水をたたえる円形の施設は昭和16年(1941)に造られたもので、二ヶ領用水から取り入れた水を中央の円筒から噴き上がらせ、4本の堀(用水路)に分水する仕組みになっています。
DATA
久地円筒分水
●くじえんとうぶんすい
住所:川崎市高津区久地1-34
電話:044-200-2903(川崎市建設緑政局道路河川整備部河川課)
044-544-8229(川崎市観光協会)
料金:見学自由
豊かな自然に恵まれ、陸上競技場や硬式野球場、テニスコートなどスポーツ施設が一堂に集まる等々力緑地。春になると約600本の桜が次々に花開き、競技場やテニスコートの周辺を華やかに彩ります。見事なシダレザクラや、ソメイヨシノ、オオシマザクラなど桜の種類も豊富です。
敷地内には大きなつり池があり、春には池の周囲に沿って桜の花が咲き誇ります。
青空とつり池の静かな水面、桜とのコントラストがとてもきれい♪
ここではヘラブナを中心に釣り(有料)を楽しめます。
のんびり糸をたらしながら、見事な桜風景を眺めましょう。
敷地内には「ふるさとの森」、「花の散策路」など、自然とのふれあいを楽しめる場所があります。見事な桜の花以外にも、沿道の花壇には色鮮やかなチューリップやパンジーなどが咲き、春の訪れを教えてくれます。子ども向けの遊具も充実しているので、お子さん連れも1日楽しめます。
DATA
等々力緑地
●とどろきりょくち
住所:川崎市中原区等々力1-1
電話:044-788-2311(中原区役所 道路公園センター)
料金:入場自由(スポーツ施設やつり池の利用は有料)
横浜市には『日本さくら名所100選』にも選ばれる三ツ池公園があります。
園内にはなんと78品種、約1600本の桜が植えられていて、2月中旬の寒桜(カンザクラ)を皮切りに、4月中旬までさまざまな品種の桜が咲き続けます。
横浜緋桜(ヨコハマヒザクラ)やオカメ、普賢象(フゲンゾウ)といった、ほかではあまり見かけない珍しい桜も見られます。
広大な敷地内には3つの池があり、公園の名前の由来になっています。
春には鏡のように静かな水面に池畔の桜が映り、幻想的な景色にため息が出るほど。
満開の桜もよいものですが、夏には池の上に可憐なスイレンが咲き、秋には周辺のモミジやイチョウが色付きます。
広い三ツ池公園には、3つの池をめぐる“水辺の散策コース”と、豊かな森をめぐる“森の散策コース”が設けられています。野鳥の声を聞きながら、四季折々の自然の移ろいを楽しみましょう。
DATA
三ツ池公園
●みついけこうえん
住所:横浜市鶴見区三ツ池公園1-1
電話:045-581-0287(公園管理事務所 8時30分~17時)
料金:入園自由
企画・編集/株式会社JTBパブリッシング
※この記事のデータは2022年2月25日現在のものです。